「…貸して。」
いつの間にかプリントをかかえ
隣に立っていた蒼が、
私の持っていたプリントの半分を取り上げた。
平然とした顔でプリントを持ち、
スタスタと歩く蒼に、私もついていく。
「あの、ありがと。」
「…別に。」
あぁ。もう…こーゆうところだよ。
口数は少なくてぶっきらぼうなくせに、
さりげなく、助けてくれるとこ。
やっぱり…好きだな…なんて、
思ってしまう。
振った相手に、…優しくなんて、
してくれなくていいのに。
…というかまた沈黙だし。
気まずい空気なのは…変わらないか。
頭の中でぐるぐる考えていたら、
視聴覚室についていた。
