シーンと静まり返った教室。
残っているのは…私と、蒼だけ。
はぁ…気まずい。
気まずすぎる。
夏祭りの…告白されたあの日から
蒼とは会ってないし、メールも電話もしてない
それどころか、今日。
隣の席だというのに目も合わせてない。
そーゆうわけで。
いきなりこんな…2人きりっていう状況は
…辛すぎる。
ガラっ!
沈黙を引き裂くように教室に入ってきたのは
成美先生。
「2人には、このプリントを視聴覚室に運んでもらいます。運び終わったら解散していいから」
教卓の上にある山積みのプリントを指さし
そう言った先生は
「じゃ、よろしくね」
と、笑顔で言い残し、教室を出て行った。
…今回も…量がハンパない。
ていうか、運ぶだけなら先生がやればいいのに
こんなこと思ってもしょうがないか…。
そんなことより…問題は…
「…あ…蒼!さっさと運んじゃお!」
席に座ったままスマホをいじっていた蒼に、
今日初めて話しかけた。
「…あぁ。」
私は、山積みのプリントに手を伸ばし
半分の量をかかえる。
「…?!なにこれ…重っ…!」
ズシっとプリントの重みが腕にのしかかり、
思わず声を上げてしまった。
