ジリジリと照りつける太陽。
雲ひとつない青空。
…窓の外からはセミの鳴き声が聞こえる。
あの夏祭りからあっという間に日は流れ、
今日は始業式。
ちなみに今は、HR中。
「今日から2学期です。
みなさんは受験生ですから、今の内から
しっかり勉強に励んでくださいね。」
担任の成美先生は、ニコニコした顔で
話している。
心なしかみんな気だるそうに、先生の話を
聞いている。
まあ、そうだよね。
私もまだ夏休み気分だし。
はぁ…。
それにしても、…あっつい。
「それでは、これで終わります。」
先生のその一言でクラスの大半の人が
一斉に立ち上がって、教室を出て行った。
「ちひろ、帰ろ?!」
帰る支度を終えた小百合が、
くるっとこちらを振り向いた。
「うん。」
「あ、そうそう。クラス委員!」
教室を出たはずの先生が、ドアからひょこっと顔を出した。
この流れは……まさか…!
「頼みたいことがあるので、
残っておいてください♪」
やっぱり…。
ていうか、先生…
初日から働かせないでくださいよ。
「ごめん、小百合…先帰ってて。」
毎回毎回、小百合には申し訳ないなあ…
「しょうがないね。まあ、頑張れ!」
「うん…また明日ね」
困ったような顔をしながらも、
そう言ってくれた小百合に手を振った。
