多分、初めて会ったときから、
アイツに惹かれていた。
一緒にいた時間とか、思い出とか
そんなもん全部すっ飛ばして、
隣にいたいと思ったのはアイツが初めてだった
夜空に、次々打ち上がった花火。
アレをみて、アイツは何を思っただろう。
一瞬だけみえた…。
光りに照らされる立花の横顔には
涙が流れていた。
今にも消えてしまいそうな、
儚い表情。
俺は、何も言えなかった。
あのときお前は
何を思って、泣いたんだ?
いつもバカみたいに笑ってるくせに、
ふとした瞬間見せる、悲しそうな顔。
そして
それを隠そうとしてまた笑う
…お前のことを、俺は何も知らない。
「…話がある。」
誰もいない街路樹。
俺に背を向け歩き出そうとした立花を、
呼び止めた。
