キミと出逢えた季節〜最初で最後の恋〜



駅から10分ほど歩いた場所にある、


隣町の大きな広場。





まだ7時前だというのに、




そこは、

お祭りに来た多くの人たちで溢れかえっていた




「…うわ……すげぇ人…」



眉間にしわを寄せ、小さく呟いた蒼。



うん…言うと思った。


人混みとか嫌いそうだし。



でも…ここは聞こえなかったフリをしておこう




「蒼、早く行こ?!」



蒼の手首を掴み、私は、


人混みの間を小走りで通り抜けた。





綺麗な笛や、カランコロンという


下駄の音が、あちこちから聞こえてくる。



「屋台がたくさん〜!!」




通り抜けた道の先には、


たくさんの屋台が続いていた。


蒼の手首から手を離し、周りを見渡す。



「うわぁ〜!たこやきとか、金魚すくいとか…

いろいろあるね!!」




「…はしゃぎすぎ…」



テンションMAXな私を見て、


蒼は苦笑いを浮かべている。



…つれないな…。



蒼も…少しははしゃげばいいのに。



「見て見て、りんご飴!食べたいなぁ…

あ、クレープも食べたい!!」



屋台を指差して、目を輝かせながら


そう言った私。




…それに対して、さっきから


表情一つ変えない蒼。





…うーん…どうしたんだろ…。




…もしかして、お祭り…嫌いなのかな…?



顔色を伺おうと、視線を送る。

「あの…」


「ちょっとここで待ってろ。」




「え?」



なんで…




「動くなよ。すぐ戻るから。」





それだけ言って、蒼は走って


どこかへ行ってしまった。