「ねぇ、蒼!」
「…何?」
また、俺の1歩先を歩き始めた小百合は
明るい声色で、こんなことを聞いてきた。
「…ちひろのこと、どう思ってる?」
「……は…?なんでまたそんなこと…」
思ってもみなかった質問に、
一瞬言葉を詰まらせた。
「まあ…細かいことはいいじゃん!
教えてよ〜!?」
「…。」
こいつはこう見えて、
言い出したら聞かない、面倒なやつだ。
はぁ…とため息をついて。
少しの間考えてみたけど
出てきたのはこの答え…
「………変な女?」
「いや、そーゆうことじゃなくてさ…。
もっとこう…!」
ガクッと肩を落とした小百合。
両手を動かして何か動作をしているようだが
何を表したいのか、さっぱりわからない。
「…何だよ?」
「…特別な感情?とか!!」
パッとヒラメいたように笑顔で
こちらを振り返った小百合。
「…特別…?」
立花のことを、頭に思い浮かべる。
とにかく元気で、いつも笑ってるイメージ。
あー、いや…そうでもないか…。
屋上で最初に見た時のあいつは…
泣いてた…。
…そーいえば…どうして、あのとき
泣いてたんだ…?
考えてみたら、俺は。
あいつのこと、…何も知らないんだな。
「……アイツは……、
何してても楽しそうで、
無駄にテンション高い。」
「…蒼?」
「大事な試合で観客席から
突然叫び出すような、変な奴。」
頭の中で、必死な顔で叫んでいた
アイツの顔を思い出す。
「…。」
「何考えてんのか全然分かんねぇ
だから …あいつのこと、
もっと知りたいって思った」
