歓声は、まだ止まない。
…きっと、ここにいる誰よりも必死に
ボールを追いかけて、
汗を流して、
ただまっすぐに勝利を掴もうとした
蒼の姿は、誰よりも輝いて見えたよ。
それに、…気づいてしまった。
私の中に芽生えていた、ある感情に。
『…よろしく。』
一見クールで、無愛想に見えるのに
『待ってたんだけど。』
『送るよ。』
時折見せる優しさが温かくて、
『視聴覚室は逆方向。』
『時間ないんだろ?行くぞ。』
私が困ったとき、
いつも助けてくれる。
思い出したの。
入学式の日のこと。
体育館の場所がわからなかった私は、
蒼に声をかけた。
キミは私の手を引いて、
体育館まで連れて言ってくれた。
あのとき触れた手は、温かくて、優しかった。
多分、初めてあったときから、
惹かれてたんだと思う。
私にとっては気づいてはいけない感情。
まあ、気づいたところで、
何もするつもりはないんだけどね。
私は、今この瞬間を忘れないように
コートにいる蒼から、片時も目を離さなかった
だって
…私には、これが最後になるかもしれないから
