キミと出逢えた季節〜最初で最後の恋〜

見えた景色 〜ちひろside〜



試合を観てて。



違和感を、感じてた。






やっぱり、気のせいじゃなかった。







蒼の動き、最初と違う。






ねぇ、なんで。




そんなに苦しそうな顔してるの?




体育館で自主練してたあの時。



あの時は、少しだけど笑ってたじゃん。


楽しそうに、バスケしてたじゃん。




それなのに今は…眉間にしわ寄せて。


いつもより、…もっと、かたい顔してる。




ねぇ…なんで、そんな顔してるの?





…なんで






…一人でやろうとしてるの?







私の中で渦巻いていた感情、





「蒼ーーー!!!!!!」



気づいたら、溢れてた。




観客席から立ち上がって、



手すりから身を乗り出して、



思いっきり叫んでた。




「何この世の終わりみたいな顔してんの?!」


周りの目なんて、どうでも良かった。



ただ


「周りを見て!」



届いて欲しい。



「 いつもみたいに仲間を見て!」


伝わって欲しい。



〝全部勝って全国へ行く。〟


あの時の自信は、どうしたの?


蒼、……自分を、見失わないで。



「まだ負けてない!」


届いて。



「まだ、終わってない!」



届いて。





「コラ、君!!!試合中に…」


審判の人に怒鳴られて、


ほんの少し、恥ずかしい気持ちになったけど



でも、…そんなことはどうでもいいの。