「あははっ。
いいでしょ?呼んでも!
親睦を深めるためにもさ♫」
「…好きにしろよ。」
「私のことも、ちひろって呼んでいいから!」
「それは遠慮する。」
私のちょっとした勇気が
きっぱりと断られた。
「雑用も終わったし、
俺もう行くから。」
そう言って、鞄を手に持った…蒼は、
どこか素っ気なく私に背を向けた。
「…部活…?」
「あぁ。」
「試合、二週間後だもんね。
頑張ってね!」
そうだ。
蒼は大事な試合を控えてるんだ。
今この時間とか、勿体無いよね。
「お疲れ」
蒼はそれだけ言って
教室を後にした。
1人になった私は、
またぼんやりと、窓の外に目をやる。
太陽の眩しい光が目に入る。
夏は、…まだ始まったばかり。
長い長い、夏休み。
私にとっては、
きっとコレが最後の夏。
大丈夫。
今回は、絶対。
ちゃんと観に行くから。
約束、守るからね。
