「で…でも、
それじゃあ言う事を聞く内に入らない。
他に何かないの?」
赤い顔を隠すために、
私はうつむいた。
「は…?いや他にって…
別にもういいんだけど…」
「…なんでもいいから。」
「……。」
沈黙が流れ、また
教室内にセミの鳴き声が響いた。
それにしても、…あっつい……。
…真夏だしなぁ…。
エアコンついてるけど…
暑いもんは暑い……。
「………、じゃあ」
「何?!」
「…名前で、呼んで。」
「……ん…?名前…、
えっと、…〝蒼〟って?」
でも、…そんなことでいいの?
言う事聞くってもっとこう…
夏ならアイス奢るとか
ジュース奢るとか…
そんな感じのものかと…。
「……悪い、冗談。
やっぱりいい。」
心なしか、片倉くん、頬が赤いような…?
「あ、そうなの?私はむしろ、
名前で呼びたいと思ったんだけど…」
「…は…なんで…」
「だって、
蒼って言った方が呼びやすいじゃん、
字数的に!」
「いや…お前。
どんだけ呼ぶのが面倒くさいんだよ」
