「何も思いつかないんだけど……」
「えー、何かあるでしょ?!
どんなことでもいいから!」
「あぁ、………じゃあ」
なんでもドーンと来い!
「インターハイ予選、観に来て」
今まで目を合わせようとしなかった
片倉くんと、目があった。
「へ…?」
思いもよらなかった発言に
間抜けな声が出てしまった。
「そりゃ、もちろん。
約束したよね?小百合と一緒に…」
「…前も。そう言ったけど
…お前は来なかった。」
片倉くんの真剣なまなざしに
なぜか、胸がドキっとした。
「…いや、あれは…ただの事故っていうか。
全然大丈夫だよ?
今回は何があっても絶対観に行くよ」
「そうか……ならいい。」
いつもとは違い、
優しい顔で微笑みをこぼした片倉くん。
…いつも無愛想で、
目も合わせようとしないくせに、
こんな突然、…表情崩さないでよ。
「…お前、なんか顔赤いけど、
大丈夫か…?」
ズイっと顔を近づけてきた
片倉くんから、
私は思わず顔を背けてしまった。
「えっ?!いやいや、赤くなんてなってない
全然っ…大丈夫!!」
何を照れているの…。
いや、照れてなんか…
「…?何そんなに動揺してんだよ…」
ただ、片倉くんが
いつもと違う顔を見せただけなのに
どうしてこんな…
不思議な気持ちになるんだろう。
