キミと出逢えた季節〜最初で最後の恋〜












「はい、…終わった。」



余裕な表情でパサっとプリントを置いた
片倉くん。



「え、…早っ」




プリントの方に目をやると、



確かに全部終わってる…。





しかも、…一つ一つが丁寧…。




でも、…私だってあと少しだったのに…!



「言い出しっぺが負けるって


どーゆうことだよ。」




バカにしたような笑みを浮かべている。





…勝てると思ったのに…。





片倉くんもマジになってたのか…?






「さっさと終わらせて、帰ろうぜ。」






私の手からプリントを奪い、また、



手際よく作業を始めた片倉くん。





…私の分の仕事なのに、



口には出さないけど、


手伝ってくれてる、んだよね…?





…まあ、知ってたけど。




優しい人ってことは、






もう随分前から、知ってた。




「終わった〜!」



ぐーっと伸びをし、綴じ合せたプリントを



教卓の上に置いた。





…一学期最後の仕事、終了。







「…それで?

勝負に勝ったキミが
私にしてほしいことは、何ですか?」




私は席に座り、


片倉くんの目をジーッと見つめる。



言い出しっぺは私だし、


ルールはちゃんと守るよ。




「あー、そうだったな。」


片倉くんは私と目を合わせようとしないで、


窓の外を眺めている。


…いい人ってことは、充分分かってるんだけど



何を考えてるのか、


よく分からない。



目の前にいるのに、いつも…



どうして、こっちを見てくれないんだろう。