…先生は、私の涙が止まるまで
宝物を包み込むように…優しく。
私を抱きしめてくれた。
「…ちひろちゃん、…落ち着いた?」
優しい声で聞いてきた先生。
私は、先生の腕をほどいて、頷いた。
「すみません、…取り乱してしまって…」
なんだか急に恥ずかしくなって、
先生から目をそらした。
覚悟なんて本当は全然できてないくせに
強がって
自分の弱さを
隠そうとした。
だけど、
〝ー生きたいー〟
あれが、私の本心だった。
「…先生?」
ベッドのシーツを握りしめ、
私は先生の顔を真っ直ぐに見る。
「私は…
これから…どうすればいいんですか…?」
なんでかな。
わかってるはずなのに。
この答えを、知っているはずなのに。
私は、また誰かの答えを待ってる。
「ちひろちゃんは、どうしたいの?」
先生の目は、真剣そのものだった。
「どう、生きたいの?」
先生の言葉が
頭の中でリピートされた。
〝どう生きたい〟…?
そんなの、
決まってるじゃないですか。
私は、
「後悔、…したくないです」
どうせ燃え尽きてしまう命。
無くなってしまう命なら
あがいて、あがいて。
がむしゃらに生きていきたい。
残された時間を、
無駄にはしたくない。
少しでも、笑顔でありたい。
何年たっても色あせない
思い出を作りたい。
