「先生……」
呼吸はまだ、乱れたまま。
私は、荒ぶった心を落ち着かせるために
目を閉じた。
真っ暗で。
何もない。
何も、見えない。
死んでしまったらこんな風に、
真っ暗で、何も見えないところで
ひとりぼっちになるのかな…
ー唐突に、…そんなことを思ったー。
私は静かに、言葉を口にする。
「私…、……生きたい、です。」
「うん。」
今の私の…たった1つの願い。
「死にたく、…ないです」
そしてそれは
どんなに強く願っても
叶えることのできない、願い。
「……うん」
先生は、抱きしめる腕の力を強めた。
〝生きたい〟
…もっと、…
生きて
生きて、
たくさんの幸せを、感じたい。
「我慢しないで、…今は
泣いても、…いいからね。」
…先生の優しさが…余計に痛くて
でもそれ以上に温かくて。
「…う…うぅ…っ…。」
私は、先生の腕の中で、
声を押し殺して、泣いた。
