…笑わなきゃ。
〝私は大丈夫だよ〟
って、お母さんを安心させなきゃ。
「ホントのこと…教えてくれてありがとう。」
顔を上げて、
涙をこらえて、
今の私の、精一杯の笑顔を見せる。
そんな私を見て、
お母さんはまた、大粒の涙を流した。
コンコン。
突然部屋をノックされ、扉が開かれた。
「…もう、夜遅いので、…今日のところは…」
遠慮気味に、病室に入ってきたのは
星野先生だった。
病室の時計に目をやると、
8時30分を指していた。
「あ、…じゃあ…そろそろ帰ります。」
お母さんは、手の甲で涙をぬぐい、立ち上がった。
扉に手をかけ、私に背を向けたまま
「ちひろ、…また明日、来るわね。」
とだけ言って、病室から出て行った。
扉がしまった瞬間。
何かが切れてしまったように、
ポロポロと、涙がこぼれた。
…病室には、先生と私の、二人だけ。
…先生が来てくれて、よかった……。
あのままだったら私、
我慢出来なくなって、…お母さんの前で
泣いてしまっただろうから…。
「ちひろちゃん…お母さんから聞いたのね?」
「…はい…」
パイプ椅子に腰を下ろした、星野先生は
真っ直ぐに私を見ている。
〝聞いた〟というのは、
きっと…私の病気のことだろう。
「よく、…我慢したね…」
優しい声。
先生は、…私の頭を撫でてくれた。
その仕草と、声に、…また涙が溢れた。
先生の手が、…温かくて…優しくて。
〝今は、…泣いてもいいんだよ〟
って、言ってくれてるみたいで。
だけど、…そのとき。
ある疑問が、…頭をよぎった。
そうだ…。
私まだ、…重要なこと、聞いてない。
「あの…」
「…何?」
先生なら…きっと、教えてくれる。
でも…聞いてもいいの…?
これを聞いてしまったら…私はどうなる…?
先生の言葉を聞いても
私は変わらず、…私のままでいられるの…?
こわい…。
不安で、仕方ない。
けど、…確かめなきゃいけない。
…向き合わなきゃいけない。
これは他の誰でもない、…
私の人生なんだから。
…覚悟を、…決めろ…。
〝私は大丈夫だよ〟
って、お母さんを安心させなきゃ。
「ホントのこと…教えてくれてありがとう。」
顔を上げて、
涙をこらえて、
今の私の、精一杯の笑顔を見せる。
そんな私を見て、
お母さんはまた、大粒の涙を流した。
コンコン。
突然部屋をノックされ、扉が開かれた。
「…もう、夜遅いので、…今日のところは…」
遠慮気味に、病室に入ってきたのは
星野先生だった。
病室の時計に目をやると、
8時30分を指していた。
「あ、…じゃあ…そろそろ帰ります。」
お母さんは、手の甲で涙をぬぐい、立ち上がった。
扉に手をかけ、私に背を向けたまま
「ちひろ、…また明日、来るわね。」
とだけ言って、病室から出て行った。
扉がしまった瞬間。
何かが切れてしまったように、
ポロポロと、涙がこぼれた。
…病室には、先生と私の、二人だけ。
…先生が来てくれて、よかった……。
あのままだったら私、
我慢出来なくなって、…お母さんの前で
泣いてしまっただろうから…。
「ちひろちゃん…お母さんから聞いたのね?」
「…はい…」
パイプ椅子に腰を下ろした、星野先生は
真っ直ぐに私を見ている。
〝聞いた〟というのは、
きっと…私の病気のことだろう。
「よく、…我慢したね…」
優しい声。
先生は、…私の頭を撫でてくれた。
その仕草と、声に、…また涙が溢れた。
先生の手が、…温かくて…優しくて。
〝今は、…泣いてもいいんだよ〟
って、言ってくれてるみたいで。
だけど、…そのとき。
ある疑問が、…頭をよぎった。
そうだ…。
私まだ、…重要なこと、聞いてない。
「あの…」
「…何?」
先生なら…きっと、教えてくれる。
でも…聞いてもいいの…?
これを聞いてしまったら…私はどうなる…?
先生の言葉を聞いても
私は変わらず、…私のままでいられるの…?
こわい…。
不安で、仕方ない。
けど、…確かめなきゃいけない。
…向き合わなきゃいけない。
これは他の誰でもない、…
私の人生なんだから。
…覚悟を、…決めろ…。
