キミと出逢えた季節〜最初で最後の恋〜








「ねぇ、お母さん。」






「…何?」







穏やかな顔で、私の言葉を待つお母さん。






「私に、…何か隠してない?」





「何かって…?」







「私の……病気のこと、とかさ。」





お母さんの顔が、一瞬こわばった。

やっぱり……。




「何言ってるの、突然。隠してることなんて
何もな…」



「自分の体のことは!」



お母さんの言葉を遮った。




「自分の体のことは…私が1番わかってるから」




「……」



だから、



「隠さなくて、いいよ。
本当のこと、教えて…?」



何も言わないお母さんに、
追い討ちをかけるように、私は続けた。








「私……、辛くても、耐えてきたよ?」



「ちひ…」





「治療もちゃんと受けて、…薬も飲んで
頑張った。」



『ちゃんと治療を受けていれば、大丈夫』


この言葉を、信じていたから。

…私も、信じたかったから。



「でも、治るどころか、
病気は重くなるばっかり。」

ベッドのシーツを、握りしめる。


お母さんの目を、真っ直ぐに見つめて、
問いかける。




「…私の病気、治らないんでしょ…?」


お母さんの目には、涙がたまっていた。



「…教えてよ…。私は、どうなるの…?」




最後の方は、声が震えたのが、
自分でもわかった。





「ちひろ…あなたの病気は、治るわ…」

私以上に震えた、お母さんの声。



お母さんの頬には、涙が伝っていた。





…嘘だよね。
そんなバレバレな嘘、つかないでよ…。






「もう、私の為に嘘なんて、
つかなくていいから。」



手が震えないように、両手をぎゅっと握りしめる。



「どんな事実でも、受け止めるから。」



「…。」






「だからお願い。…本当のこと、教えて?」