そう言って、俺の手首を引いて
走りだした彼女。
『ちょ……』
俺は捕まれているのと逆の手で、
彼女の手首を掴む。
『バカ、どこ向かってんだ。
体育館は逆方向。』
『え…』
『行くぞ。』
彼女の手首を掴んだまま、走り出した。
体育館に到着したのと同時に、俺は彼女から手首を離す。
『間に合ってよかった…。』
安堵の表情を浮かべる彼女。
走ったから疲れたのか、肩で呼吸をしている。
彼女は
急に胸を押さえながら、しゃがみこんだ。
…?
『おい…大丈…』
不思議に思い、声を掛けようとすると。
彼女はバッと立ち上がったかと思えば
まっすぐに俺を見つめてきた。
