始まり 〜蒼side〜


第一印象は、今でも鮮明に覚えてる。

学年が上がって、隣の席になったお前は
あのとき、俺に

『はじめまして』

って言ったけど。

お前と話したのは、初めてなんかじゃない。
















太陽の光が照りつける中、
俺は今、全速力である場所に向かっている。







一昨日の練習試合ー。

小百合と立花が、
試合を観に来ると言っていた。


『ー絶対見に行く!小百合と一緒に、応援しに行くねー』



…けど、…アイツは、来なかった。







約束を簡単に、破るようなやつじゃない



俺も、もちろん小百合も、



そう思っていた。



試合のあとになって、小百合は



立花と連絡が取れないと言っていた。

そして今日、立花は学校に来なかった。




小百合はひどく心配していたけど、



ついさっき、立花からメールが届いたらしい








『…蒼、ちひろが…』



小百合の言葉が、頭をよぎる。



…どういうことなんだよ。


立花のことを聞いた瞬間。


気づいたら俺は、

アイツがいる場所へ向かっていた。