「3年生はもうすぐ引退でしょ。
大会に向けての練習とか…練習試合とか
いろいろ、やらなくていいの?」
プリントをホッチキスで挟みながら、
問いかけてみる。
「今この時間とか、勿体無いよ。」
他の人はみんな、必死に練習してるはず。
「俺は、そうは思わねぇよ。」
片倉くんはボソッと何か呟いたようだけど
よく聞き取れなかった。
ガタンと音を立て
突然立ち上がったかと思うと、
「じゃ、俺行くから。」
と言い残して、教室を出て行ってしまった。
一人になった私はプリントに目を向ける。
「…全部終わってるし…。」
片倉くんって…なんかすごいなぁ…
さっさと仕事片付けて、
バスケ部の方に行ったんだと思う。
部活動かぁ…。
いいなぁ…。
なんか、青春のひと時って感じで憧れちゃう。
私の場合、中学でも何もやれなかったから
余計憧れる。
ぼんやりとそんなことを考えながら
私はプリントをまとめて教卓に置き、
帰ろうとした時、机の下に、何かが落ちていることに気づいた。
私は落ちていたものを拾う。
…生徒手帳?
1ページめくって、名前を確認する
コレ、片倉くんのだ。
さっき立ち上がったとき、落としたのかな。
