『夏妃〜、今日は、おばあちゃん家に行くから準備しといてね。』
お母さんから、朝起きてすぐに言われて、寝ぼけながら返事を返す。

毎年、お盆とかお正月の時ぐらいしか、まともに行けてない。
久しぶりだな~、おばあちゃんに会うの。

お母さんは、お中元の準備をしてる。

『夏妃~、そろそろ準備出来たなら、行くよ~。』
「はーい」

おばあちゃんの家まで、2時間近くかかる。
音楽を聴きながら、向かう。

道が進むにつれて、山道に入っていった。
「お母さん~、この辺道がガタガタしてるね。」
『そうね~。昔から変わらないわね。』

もうちょっとで、着きそうだ。
『夏姫〜。着いたよ起きなさい』
「うん。」
あっ、寝てたんだ。
玄関のチャイムを押すと、よく来たねって、おばあちゃんが出迎えてくれる。

時間はお昼近くで、一緒に昼食の準備をする。
『今日は、何して食べようっか?』
おばあちゃが、にこにこして聞いてくれる。
「なにがあるの?」
『今日は、トマトと、キュウリ、ナスとかが採れたてかな。あとゴーヤもあるよ。』
「じゃあ、ゴーヤチャンプル食べたい。一緒に作ってもいい?」
『全然かまわないよ。一緒に作ろうね。』

おばあちゃんにエプロンを借りて、台所に立つ。
『夏妃ちゃん。おばあちゃんね、今年も庭にヒマワリ咲いたから良かったら後で見てみて。』
「うん、楽しみにしとく。」

毎年、おばあちゃんは夏になるとヒマワリを育てる。
亡くなった、おじいちゃんとの大事な約束らしい。
まだ、詳しくは聞いたことないけど…。

でも、何もしらないけど、おばあちゃんが育てたひまわりは大きくて、まっすぐでキレイだなと思う。

『夏妃ちゃん、野菜切ってくれて、ありがとう。じゃあ、炒めていこうかな。』
熱したフライパンで野菜を炒めていく。
美味しそうな匂いがしてきた。
『あと天ぷらもつくろうかな。冷蔵庫に海老が入ってるから出してくれる?』
「うん。分かった~」
冷蔵庫を開けると、ワンホールのケーキも入ってた。
「おばあちゃん~、今日誰か、来るの?」
『ん?あっ!ケーキね。夏妃ちゃん今日は誕生日でしょ?お祝いしないとね』
「あっ。ありがとう」
おばあちゃんとは、たまにしかあえないけど誕生日覚えててくれたんだ。