「リーダー、今回の任務ってなんなんすか。」
「それは水無月が来てから説明する。」
「その間、俺何してたらいいんすか?」
「何もしなくていいんじゃないか?」
「………………」
リーダーと呼ばれた男と、そのリーダーに呼ばれやってきた男。
先ほどから向かい合ったまま、数回言葉のキャッチボールをしていた。
「つか、水無月が来るのがあと1時間くらいなら、その頃俺を呼んでもよかったんじゃ…。」
「そうだな。どうした?篠夜(しのや)。何か予定でもあったのか?」
篠夜と呼ばれた男は、乱雑になってる髪をガシガシと掻くと、溜息をこぼした。
「……………俺、アンタのそういうとこ苦手っすわ。」
「それは残念だ。」
「はぁ…。つか、水無月マジで来るんすか?」
バックレそうっすよ。と窓際までゆっくり足を進めた篠夜は、窓から見える木々に目を向けた。
それを横目で見ていたリーダーの男は、先ほどの電話での会話を思い出したのか、フッと口角を上げた。
「水無月は来るよ。俺に何かを奢らせにな。」
「また食いもんで釣ったんすね。」
「ま、そこが可愛いんだから、俺も甘いよな。」
甘いって、自分で言うかよ!!
篠夜は心の中でツッコミを入れそうになったが、なんとか耐え、苦笑いに変えた。