――――日本国内某所








「……あぁ、頼む。………………わかってる、それが終わってからでいい…………着いたら俺のとこに来いよ、約束だ。」





日本のとある所にある洋館のような建物。




大富豪でも住んでるのか!?と思わせるほど大きなその屋敷の一室で、一人の若い男がスマホを片手に眉間に皺を寄せていた。




――――――――コンコン



「…入っていい。」





―――――――ガチャ






「失礼します。」





そこへやってきたのは、これまた若い男。


短い黒髪を乱雑に掻きながら、気だるげに目の前に座る男と視線を合わせる。






「任務っすか…」




「あぁ。」





「水無月、呼んだって聞いたんすけど…。」




「あぁ。」






――――――――



―――――――――――




――――――――――――――沈黙







「あいつ、今学校なんじゃないんすか?」




「あぁ。渋られた。テスト中だったらしい。」




「テスト中に連絡とれる方もどうかと思いますけどね。」





「まぁ、あと1時間もしないうちに顔出すはずだ。そしたら任務に当たってくれ。」




「…………リーダー、俺と水無月が組むってことは…」







リーダー。そう呼ばれた男は、先ほどの眉間の皺を隠そうともせず、深い溜息を吐いた。






「…………厄介事だ。」