「本当にごめん」

少年はそう言った後、静かに教室を出た。

少年の居なくなった教室はガラリと変わった。
私しかいない、何の音もしないそんな無機質な世界だった。


頭の中では先程のことが何度もリピートされる。
心の中では振られたということは、悔しくも悲しくもなかった。


誰も居なくなった教室に
不安を感じたのか
私は1人、静かに帰る準備をした。
教科書を詰める際もあえて振られたことは考えない。
ただ黙々と手を進めた。