君×私×彼

授業が終わるとすぐにHRをして

解散となった


掃除をして

部活や委員会に行く人

友達と話しながら帰る人がいるなか



私だけは教卓の前にいた




「怪我の具合はどうだ?」



「ほとんど治りましたよ。まだ少し痛いですけど」




私が掃除に行く前に

先生に呼び止められて

後で話があると言われ今こうなっている




「そうか…。いや~心配で心配で」



最後に笑った先生だけど

一瞬悲しそうな目をしたのを見逃さなかった



「花奈に一回電話したんだぞ?」



「えっ?」




いつ電話なんてしたんだろう…



あれ、そういえば一件だけ

非通知の履歴があったような…




「かけたけど出なかったから諦めたんだけどな」



そういうことか、

あれは先生からの電話だったんだ




「あれ、先生だったんですね。非通知で履歴に残ってて誰だろうとは思ってたんです」



「担任の携帯ぐらい登録してください…」



肩を落として

明らかに落ちこんでいる先生



「すみません…ふふっ」



その様子がおかしくて

思わず笑ってしまった



「笑ったなぁ~?」


「笑ってないですよ!」


「いや、笑った!」


「じゃあ、ごめんなさい」



自分達のやり取りがおかしくて

最後には二人で笑っていた




「花奈は思ったより明るい子なんだな」


「えーそれどういう意味ですか」


「笑ってる方が良いってこと」



先生…

不意打ちはずるいです



そんなこと言われたら

嬉しくなっちゃうじゃないですか




「体育、ドアの所で見学していただろう?」



「え、なんでそれ…」




またも先生からの言葉に

思考が一時停止




「一年生のクラスで授業してたんだけど、ちょうど見えたからな」



見てたんだ




私が先生の声を聴いている時

先生は私を見ていた



そう考えると

胸が熱くなって大きく弾んだ



「会議があるから、そろそろ行くな。気を付けて帰れよ?」



私が返事をしないでぼーっとしていると

先生が私の名前を呼んだ




「花奈?」



「あ、はい…」



「気を付けて帰るんだぞ?」



最後にもう一回そう言うと

先生は歩き出していた



「はい、先生さようなら」



その背中に私は返事した