「初めまして、今日からこのクラスを担当することになった柳田瀧(ヤナギダタキ)です」
前に立つ人はそう名乗った
この人が今日から私達の担任
歳は26
古典が担当科目
そう自分を紹介した
表情は柔らかく、明るい口調
男子生徒の変な質問にも
ツッコミを入れながらも答えていた
見たことがないから
今年度からこの学校の勤務だと思う
黒髪の似合う、清潔感溢れる男性教師
あの見た目とルックスなら
人気者になる気がする
それより
今は私が変なことが問題
鼓動は速く
頭の中で響いている
熱…?
おでこを触っても熱くない
寒いわけでもない
熱じゃない
顔をあげると、先生と目が合う
視線がそらせない
いや、そらしたくない
見ていたい
しかし、先に先生が目をそらした
胸に小さな心の渦ができた
そらさないで
そんな思いが浮上する
取り残されて、行き場のない私は
視線を落とした


