好きだったから・・・・



重い目蓋を開き
真っ白い天井が見えた
うちの天井でないのは確か
どこなんだろうね?

手を誰かが握りしめている
顔を横に向けると宗近さんがいた、声をかけようとしたけど
声が出ない、なんで?
私どうしたの?体も動かない
情けなくなった

指は動く・・・宗近さんの手のひらに合図をした

トン・・・トトン・・・・ト・・・ン


伏せていた顔が持ち上がり

「紗江、気がついた?」と
あちこち診察始めた


声を出せないから目で訴えた

『私どうしたの?足が動かないねぇどうして?』