「「あはは!」」


なんだかうるさいと思ったら
またあの二人だ。


俺が寝てるといつも来るんだよな。
ほんとに迷惑な奴らだ。



「おい!優也もうすぐ授業終わるから行こうぜ!」
「あぁ」
「あぁってなんだよー、つめてーなぁ」


このうるさいのが俺の親友の和樹。
ちょっとお調子者なところもあるけど
人のことを気にかけてくれる優しいやつだ。


「っあ、こんなとこに紙落ちてる。
ねー優也ぁ、紙飛行機おってー!」
「お前はまだおれないのかよ」
「だって優也のが飛ぶから面白いしー」


紙飛行機くらい
余裕でおれる歳だろ、笑
お前は何歳だよ。


「自分のはぜーんぜん飛ばないんだもん♡」



(きもっ、)
最後の♡いらないだろ。
とりあえずうるさいからおるか。




「よっしゃあ!
これ、ここから飛ばしていい?」
「あぁ」
「よしっ!」


すごいキラキラな目ぇして、
ほんと小学生みたいなやつ。
まるで親気分だわ。


「あれー?とばないよー?」



そして何度言ってもわからない
紙飛行機を下にむかって
たたきつけちゃうバカ。


「この前から飛ばし方教えてるよな?」
「うん!たぶんね。」
「ちゃんとみてろよ。」



こうゆうのは加減が大事なんだよ。
ちょっとだけ手首に力を入れて
風にのせる。


ほらな、やっぱりだ。
今回のやつもいい感じ。


「おい見たか?
今みたいにやれ、、、っおい!」
「すげーーー!」


なんなんだよ、
せっかく見本見せてやってんのに。


っお。
こっちに戻ってくる。

コト、、、、



「わかったか?」

紙飛行機を微調整してるのを
またもやキラキラな目で見てくる和樹。
人の話聞いてないだろ。


「わかんないよー!」


おいおい、
お前見てなかったのかよ。



まぁいっか、
もーいっかい飛ばそ。



「すげーーー」



俺の隣に和樹が座ったて
一緒に紙飛行機を眺めた。
なんだか懐かしい感じがした。





この高校に入ってから
もうすぐ一年になるけど
こいつと初めてあった時も
この辺だったよな。



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俺は高校に入ってそうそう
授業をサボった。



屋上で見る空って
こんなにきれいなのか。

そう思った瞬間だった。


「マジすげー!」


誰だろうと思って
声のする方を見たら
同じ色のネクタイをした人が
俺と同じように空を見上げてた。


「今日の空、、、、
めっちゃきれーつうか、すごくね!?」
「あぁ」
「なんだよーつめてーなぁ」


いやいや、
いきなりこっちに話し振られても
困るんですけど。
誰かも知らないし。



「っあ!おれ和樹!
クラスは2組!お前は?」
「俺は優也、、、2組だけど」
「っえ、マジで!!!」



エスパーかと思ったわ。
まーそんなはずないと思うけど。
まさか同じクラスとは。



たしかに
クラスとか隣の席にも
全然興味なかったしな。
知らないも同然か。



「ねぇ。それ紙飛行機?」
「あぁ」




俺は落ちてた紙で
紙飛行機を作ってた。
ここから飛ばしたら
うまく飛ぶんじゃねーかなって。



「おれ、飛ばしたい!」



そんなキラキラな目で言われても、、、
まぁいいけど。



「はいよ、」
「やったぜ!」



そんなに喜ぶ高校生、
なかなかいないと思うけど。



ストン。
っえ、こいつヘタクソか?
なんで紙飛行機を下に投げつけんの?
笑える。


「飛ばない!」


そんな泣きそうな顔されても、
こっちが困るわ。



「お前、力入れすぎてんの。みてな」
「お、おぅ、」



俺はお父さんか、
とか思いつつ飛ばしてみた。



「すげーー!」


感心しすぎじゃね?
ってか飛ばせない奴いないと思う。


「変なやつ」
「やつじゃない!和樹!」


やべ、心の声がつい出てしまった。


「しかもおれ
なんも面白いことしてなくね?」
「してたよ。」



その瞬間
二人で笑いあった。

久しぶりに心から笑った気がする。


「連絡先!交換しよ!」
「あぁ」



ん?
どーやってやるんだっけ?



「なに?できないの?」
「どーやったか忘れた」
「やってあげる!」
「おー。頼むわ。」



ピッピピ、、、ピッ
そーゆーことははやいんだな。



「はい、おーわり!」
「どーも」
「ちょろいもんよー!
よし、これでお友だちできたー!」




そんな嬉しかったのか。



コト、、、、
ん?



あぁさっきの紙飛行機か。
結構飛んでたな。


「また作ってくんない?」
「あぁ」
「やった!じゃあおれ先行くわ!」







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あんときからどんだけ来てんだろな。
絶対に毎週来たくなるこの場所。
安心するな。


「なぁ優也ー。
紙飛行機向こう行っちゃったけど。」
「行くとこなんかコントロールできない。」
「あの二人いるけど、」




え、まじか。
まぁいいか、
どうせ飛ばしっぱなしにするつもりだったし。



「和樹、、行くかそろそろ」
「どこに、、、?」
「どこにって、
おまえ授業行かねぇの?」
「っあ!行くいく!」



俺は屋上をあとにした。