夏祭り


「……やらないの?」

見ると、ポイと容器をあたしに差し出し、困ったようにあたしを見ている翔くんがいた。


その後ろでは、郁と聡くんが騒ぎながら金魚たちと格闘していた。



「あ、ごめん。やるやる、ありがとう」

あたしは翔くんにお礼を言って100円を渡し、ポイと容器を受け取ると、金魚が泳ぐビニールプールと向き合った。