気付いたとき、あたしは真っ暗な部屋にいた。

冷たい床が、あたしの体温をかなり落としていることが分かる。

服は、病院のパジャマのままだ。

起き上がろうとすると、首……頸動脈のあたしがずきりといたんだ。

血管が締め付けられていたのか、触るとコリコリとした感触がある。

ポケットのなかから小さな手鏡を取り出して、首を映すと、そこには螺旋状のアザができていた。


そこで思い出す。

そうだ、あたしは音色に、殺されかけたんだと。