音色と出会ってから次の日。

あたしは病院内の庭にいた。

車椅子をひいている看護師さんや、

小児科病棟のガキなど、

あたしの苦手な人種がわちゃわちゃいる。

気分が悪くなってあたしが部屋に戻ろうとすると、

「久川さん」

フルーツジュースのような澄んだ声が後ろから聞こえた。

「音色ちゃん......」