東京から最終の新幹線で仕事が終わるなり飛んで故郷に帰ってきたのは言うまでもない。



「当たり前でしょう?仕事、片付けるの大変だったんだから」
「ありがとう」



彼の笑顔に、安心した。

ああ、よかった。
そう思ったのは言うまでもない。



「どうだった?ウェディングドレス」
「…まだ」
「もしかしてそのタキシード姿、新婦より先に私が見てるの?」
「…」
「何やってるの、祐輔。私なんて後でいくらでも話せるんだから、早く花嫁のところに行かないと逃げられるわよ」
「そんな縁起でもないこと言うなよ、花楓」



私は、おどけたように笑う。