徒花と蝶

そんな母の優しさを感じながら、再び彼に電話をする。

すると、


＜……おばさん？＞



母の携帯で彼にかけたのだから、当然そうなる。
けれど、『ううん。私』と言うと、すぐに＜花楓？＞と反応してくれて。



「そう。…さっきはごめんなさい」
＜いや…＞
「私ばかり意見をぶつけたら、子どものままよね。…本当にごめんなさい」
＜…何？おばさんに怒られた？＞
「…まあ、そんなところ」



笑う祐輔に、『何笑ってるの』と言うけれど、何も言わずにただ笑っている。

…ああ、本当に懐かしい。
学生時代に戻ったようだった。