「…祐輔くんと何かあった?」
「…まあ」
「母さんが頼んだのよ。祐輔くんに『花楓の悩みを聞いてやって』って」
祐輔から聞いたと言えば、母はそう、とだけ返事した。
母が祐輔に頼んだのはなぜだかは分からない。
分からないけれど。
それでも、私は祐輔とどうこうにはもうならないし、なれない。
その旨を母に言うとまた再び、そう、とだけ言った。
「もし、母さんが私と祐輔を―――」
「別に、そういう意味で祐輔くんに頼んだわけじゃないわ。ただ、…彼は信頼できる人だと分かっていたから」
それが、同窓会の後のことを指していっているのだと言うことは何となくわかった。
…それに、友人が多い方では決してなかった私が、家に連れてきた同級生は祐輔、ただ一人だけだったからだと言うことも何となく察した。

