徒花と蝶





大学を卒業して早3年。
社会人になった私に待っていたのは、決してやさしいとは言えない世界だった。

覚悟はしていたつもりだった。

けれど、辛辣な言葉を浴びせられると言うことは日常茶飯事。

24時間なんて足りない。
そんな時間に追われる日々。

寝たようで寝てない毎日。

かかとはもう、靴擦れも起こさないほど固くなってしまった。


『ゆとりだから』そんな言葉で、丸め込まれる。
そんなの、私が望んだわけじゃない。

あなたたちの親が選んだ政治家によって行われた政策じゃない。

そんな風に反抗したこともある。

そんな日々に追われて、実家になんて近寄ることもできなかった。

そんな時間があるなら、終わらない仕事を片付けるか、寝る。



そんな私を気にした上司が、『有休を使っていいから、一度親御さんの所に帰りなさい』と言ってくれた。


まあ、私が病んでいたのを知っているからかもしれない。

丁度お盆を迎えるから、とお盆前とお盆とお盆後の一週間を実家で過ごすことになった。