町はずれの映画館

「今回の事だって別に俺じゃなくてもいいし、どうせ君は沙織に強引に連れて来られたんでしょう?」

 確かに、他にも大人はいる。

 沙織はデートもしたいのだから親たちは論外としても、確か以前、駿にも兄弟がいると聞いたことがある。

 だから今回のコレもそちらに頼めば済むことだ。

 しかも、美奈は行きたくなかったのだから強引に押し切るような形で連れて来なくてもいいはずで……。


 誘われた時の沙織のニヤニヤ笑いを思い出しながら、美奈は両手で顔を覆った。



「謀られた……」


「……俺は前途多難そうだと解ったよ」



 圭の低い声に、美奈はやはり違った意味で恐怖を感じるしかなかった。










2012.4.30 他サイトにて公開。
2016.8.6 加筆修正にて公開。