それから数週間

――…私は、いっこうに早河くんと付き合っている自覚が持てなかった


いつものように図書館の窓から、遊んでいる彼を見れば

「――…っ!?」

偶然顔を上げた彼と目が合って、思わず目を逸らしてしまった

顔が一気に赤くなるのが、自分でも分かって思わず本で隠す


「なーんで、目を逸らすんだよ」


声が聞こえた瞬間、影が重なる


「みーずき」


早河くんが窓越しに話しかけてきた


「……は、はい」


「また読書ー?」


「あ…っ」


ひょいっと読んでいた本を取られてしまった


その本をまじまじと見つめながら、眉間に皺を寄せて

「難しい!」

私に本を返してきた