細く白い腕が箱に伸びていく。
細長い指先が掴みとったのは、1本のカッターである。

カチカチカチ...

ゆっくりとカッターの刃が動き出す。
それを恐る恐る、自分の腕へと持っていく。
剥き出した刃先を白色の手首へ押し付けた。
白い腕に1本の赤色の線が浮かび上がる。


気付いたときには既に遅かった。
すぐにカッターから手を離す。指先から床へと投げつけられたモノは音を立てて転がる。

どうしよう…。
こんなこと、


その時、視聴覚室のドアが開いた。