私はすごく驚いた。


先生の手が自分の頭から離れていってもまだ温もりが残っていた。
また、先生の手の感触はどこか懐かしく感じた。


「授業、頑張ってくださいよ」


先生はそう言って階段を下りて行った。

ゆっくりと頬に手をやると暖かかった。
きっと今でも顔が赤いのだろう。
私は頬に手を当てながら教室に向かった。



その様子を女性教師は階段の隅でじっと見ていた。