なぜなら、毛嫌いされているのは自分だけだと気づいたからだ。

「大丈夫です」

有希は女性教師にそっけなくだだ1言だけ答えた。

少しの沈黙の後、口を開いたのは女性教師の方だった。何かを思い出したかのように――。

「そういえば、最近数学頑張ってるみたいだけど…日曜に学校に来て教えてもらうのは駄目だから」


一瞬、女性教師の口元がふっと笑ったように感じた。それと同時に有希はどきっとした。
全てを見透かされているようで内心、"どうして?"とゆう気持ちで一杯だった。

心の中で思ったことが顔に出ていたに違いない。
きっとそれは女性教師にも十分伝わってしまっただろう。


有希は唇を強く噛み締めていた。