柴田は静かに待っていた有希に、待たせてごめんと言いながら車のドアを開ける。そして後部座席に積んである荷物を片付けていた。柴田は片付け終わると有希に

「乗って」

とただ一言だけ言った。

有希は助手席に乗ることをためらい、後部座席に乗った。キョロキョロと辺りを見回すが、ほとんど片付いていて綺麗だとゆうのが第一印象だった。指先に触れた車のシートがあたり前だが、自分の家の車とは違った感触がした。