「じゃあこの問題を教えて下さい」

彼女はそう言って紙に指をさす。
俺はその問題に目を移した。


「これはXに4を代入して...」


有希は柴田の説明を静かに頷きながら一生懸命に聞いていた。

「これで分かった?」


はい。と手渡された紙を受け取り、私は深々と頭を下げてお礼をした。
すると先生も”いえ”
と言ってお礼をした。


そして有希は教室へ戻って行った。