【短】ホワイトクリスマス

私は坂を下り、駐輪場に向かう。
空からは白い雪がぽつぽつと降ってきた。




あ…雪だ。
そういえば、天気予報で言ってたな。


雪はだんだんとひどくなりふぶいてきた。


冷たい。寒いよ…。
こんな状態で帰れるかな?

どうして?
今日はせっかくのクリスマスなのに。
また戻って来て嘘だって言ってよ。
いつも私に見せてくれる笑顔でさ――…。



結局、彼が戻ってくることはなかった。



こんなことなら来るんじゃなかった。

小さな手は寒さで冷たくなり、かじかんでいた。
私は大雪の中、途中で疲れ果ててしまい倒れた。
自分でも分かるくらいに身体は冷たくなっていた。





―――それでも雪は降り続く。



ねぇ…ここで待ってれば助けに来てくれるよね?



―――私はずっと大好きだよ―――





少女は静かに目を閉じた。