その時以来彼女と会うことなかったが、長い夏休みが過ぎたあとの文化祭の準備の時に彼女とまた会えた。


彼女は演劇で使うであろう重い荷物を運んでいた。

俺は部活を中断して、彼女の所に走った。

その場所で彼女がバランスを崩し、転びそうになっている所を助けた。


「大丈夫?」


「ごめんね、ありがとう。えっと…」


彼女は俺のことを覚えていなかった。
2ヶ月も経ったから忘れても仕方ない。


「逢坂翼です。」


この時はまだ苗字が変わっていなかった。


「本当にありがとう、今度何かお詫びでもするね!」


あの時の笑顔で彼女が言ってくれた。

彼女はまた重い荷物を抱え、教室に戻って行った。