あなたが恋を教えてくれた




「えっ、あ、の…」


「さっきは名前で呼んでくれたじゃん?李心」


呼んでくれたじゃなくて、お前が呼べって言ったんでしょ!

てか、何名前で呼んでんの!
名前で呼ばれても嬉しくないし、やめてほしい。


「晴人…そろそろ離してくれない?」


仕方なく名前を呼んで、彼に離してとお願いをした。

今逢坂くんはどんな顔してるんだろうか、飯島くんのせいで後ろが見れない。


「あー、ごめんね。李心がつまずきそうになってたから支えてあげたんだよ」


嘘笑顔であたしに言ってきた。

後ろを振り向き、逢坂くんを見て見るとあたしじゃなくて飯島くんを睨んでいた。