掴まれていた手は離された。


「なんで泣いてんだよ」


「わからない、何もわからないの」


こんなに辛い思いしたくない。
いなくなりたい。


「李心…」


そんな優しい声で呼ばないでよ、お願い…


「あたしは好きな人がいても好きになっちゃだめなの、杏心を裏切ることになる」


「俺は、お前ことま「お願い…言わないで」」


あたしは走って教室を出た。