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「じゃあそろそろ行くかな」
お昼過ぎ、還が帰っていく。
「ばいばい.....」
「そんな顔するな。またすぐ来るよ」
「うん........」
還は私の頭を撫でて出て行った。
「じゃあな」
「はい」
昨日のように柊が答える。
パタン......
還が出て行った部屋はやっぱり寂しくて。
私はドアを見つめた。
「よーし、夢彩!
遊ぶぞ!」
利亜がそう言って私に話しかける。
「.......遊ぶ?」
「そうっ!
何したい?俺が遊んでやるっ!」
利亜はそう言って手を広げる。
「遊ぶ.......遊ぶ!」
私はキラキラと目を輝かせて利亜の方へ駆けて行った。
そしてその腕の中へはいった。
「ぎゅ〜っ!
よし!遊ぼう!」
利亜は私をぎゅっと抱きしめた。
「っち」
すると柊が舌打ちをして私を利亜の腕から引っ張り上げた。
「わっ..!」
宙ぶらりんだ。
「しゅ、柊っ」
私は柊を見る。
すると柊は私を降ろしてくれた。
「.....大人気ない」
それを見て葉月はそう言った。
「っち」
柊は再び舌打ちをすると、奥の部屋へ入っていった。
ここ、部屋の中に部屋がある。
私が1番はじめにここに来た時寝てた部屋が。
よくみると、そこには金色の板が貼ってあり何か書いてある。
「ねぇ利亜、なんで書いてあるの?」
私はそれを指差して言う。
「ん?
あー、"総長室"。あそこは柊と限られた人しか入れない特別な部屋なんだよ」
「そうちょうしつ?」
柊だけ?
でも私、あそこで寝てたよ。
そんな事を思いながらそのドアを見た。
柊は2つ部屋があるってこと?
「ちなみに、ここは幹部室って言ってここも特別な人しか入れないんだよ?」
特別?
「私.....」
「特別だよ」
利亜はそう言って微笑んだ、
よくわからないなぁ。
ここに来てからよくわからないことだらけだ。
まぁいいや。
「利亜っ、遊ぶ!」
今は遊びたい。
遊ぶなんて、久しぶり。
「よーし!何しようか」
利亜がそう言って私を見る。
何しようって言われてもなぁ.....
遊ぶのなんて久しぶりすぎて、わからない。
「あ!これ面白いんだぞ。」
そう言って利亜が見せてきたのは
「.....ゲーム機?」
「そう!」
利亜はそのゲーム機をこの部屋にある小さなテレビに繋げる。
なんだか、楽しそうっ。


