「こいつの荷物持ってきた」 還はそう言っておっきい鞄を軽くひょいとあげた。 荷物...... 本当に私、ここに住むんだなぁと実感がないわく。 「ありがとうございます」 柊が鞄を受け取る。 「あとこいつ、風呂苦手だから」 がんばって入れて、と還が言う。 「風呂嫌いなん?」 利亜の言葉に、私は大嫌いなお風呂を思い出して身震いしながら頷いた。