「にしても、葉月?
なんで?女嫌いだったよな?」
「.....こいつは大丈夫みたい」
推川の質問に来城が答える。
「ふーん、自分だけ独り占めかよ」
推川はそう言って立ち上がった。
「夢彩、なんか飲む?」
私はこくんとうなづいた。
「何飲む?」
「.....牛乳」
「牛乳?」
「うん.....すき」
「はうっ....」
私がすき、と言うと推川は自分の胸辺りを押さえてうねった。
「打たれた、いまのは打ち抜かれた」
推川はそうぶつぶついいながらキッチンらしきものがあるところへ向かった。
そこに私もついていく。
「?」
「牛乳っ牛乳っ」
牛乳くれる人はすき。
「わかったわかった。」
推川はそう言って私の頭を撫でる。
撫でられるのもすき。
私はその手に擦り寄った。
「猫みてぇ」
推川は牛乳をコップに入れると私に渡した。
私はそれをさっそく口に運ぶ。
ごく、ごく、と喉に通るそれはとても美味しい。
「はーっ」
私は飲み終わると満足気な顔をしてコップを推川に渡す。
「口、ついてるぞ」
推川はそう言って私の口もとを自分の服を使って吹いてくれた。
「ありがとう」
お礼は忘れるなってよく還に言われてた。
私と推川は戻るとそれぞれの位置に座った。
「きー!今度は利亜まで!」
「っち」
相井と藍島は不愉快そうな顔をする。
.......なんでそんな怖い顔してるの。


