私は鍵と紙を強く握った。
「2回目、私が自ら逃げた時。
ついこの間。
私は逃げているとき、後ろに笹浦組がいるのに気づいて逃げた。
笹浦組の人も私のことを見つけ、追いかけた。
けど捕まらなかった。
私みたいな小娘、大人の足ならすぐに追いつく。
けど捕まらなかった。
それはあなたが止めたんでしょ?」
「そんなわけっ...............」
「嘘だ。」
私は鍵と紙を笹浦に見せる。
「これ。私の部屋にあったよ?
あのコンクリートで囲まれた部屋。
ここの見取り図。
あの部屋の所に星印がある。
"逃げて"ってことでしょ?
そしてこの鍵............
私は、
あなたがここに隠れてしまった時、出して欲しいから私に鍵を託した。
本当は、こんなこともうやりたくない。
助けてってことでしょ......?
自分ではもう止められないから誰かに止めて欲しい........
そう考えたけど..............違ったかな?」
私は笹浦を見る。
「違う.......................俺は.......................」
笹浦は体の力が抜けたようにその場に倒れこんだ。