私は立ち上がると還に抱きつく。
やだやだやだやだ.......
「夢彩........」
そんな私の頭を還は困ったような笑顔で撫でる。
「夢彩、大丈夫だ。
こいつらは俺の後輩。信頼できる。
それに、俺のところにいたらもしかしたら.......」
そして私の耳元で言う。
"俺のところにいたらもしかしたらまたバレるかもしれない。
勘付かれてるかも"
と。
その言葉にドキンとした。
私はゆっくり還から手を離す。
「わかったか?」
還の言葉にこくんと頷く。
「そういうことだから。
よろしくな」
還は「また今度こいつの荷物持ってくる」といって私たちから離れて昨日私が外へ出た扉へ手をかける。
「じゃあな」
「はい」
いままでずっと黙っていた藍島がそう言って、還は出て行った。
..........行っちゃった。


